『メカニカルシール交換 (ウォーターポンプ分解)』 KAWASAKIバリオスのメンテナンス

メカニカルシール交換 (ウォーターポンプ分解)

ウォータポンプのボディの底には穴が開いてます。
そこからオイルや冷却水が漏れている場合はシール交換。

※ 整備はサービスマニュアルに頼らずやっているので参考程度にご覧ください。


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トラブル

ラジエーターキャップにドロドロが...

ラジエーターキャップに付着したオイル

ある日、冷却水を抜こうとにラジエーターキャップを外したら…、「なんじゃこりゃぁぁぁ!」。

触ってみるとヌルヌル、指がテカテカ、どうやらエンジンオイルが冷却水に混じってる…


設計上、オイルと冷却水は混ざらない

ウォーターポンプ断面図

△ ウォーターポンプボディを縦切りにした 断面図
オイル冷却水、それぞれのポンプは一つのシャフトで回されていますが、上のようにそれぞれ隔離されています。

赤いのがメカニカルシール、バネで強く密着している。これによって冷却水は漏れないし、オイルが冷却経路にやって来ても遮断される。


ウォーターポンプ ボディ底部の 穴から排出される仕組みもあって混ざらない対策が二重に施されている。

ちなみに走行中、オイルはポンプの負圧によって引き戻される仕組みなので基本的には漏れない、逆に冷却水は圧が掛かるので漏れやすいはず。


なぜオイルが混じったか…

ウォーターポンプボディ底部 塞がった穴

なぜ冷却水にオイルが混じったのか…、
以前、穴から漏れるオイルを止めようと、仕組みを知らずに 詰め物をして塞いじゃったから…。
かくして逃げ道を失ったオイルは劣化したメカニカルシールを超えて冷却経路に侵入したのでした。


交換する部品

ウォーターポンプ断面図と交換部品名

◎ 必ず必要
ウォーターポンプカバーを外すのでそこにあるウォーターポンプガスケット(部品番号11009-1886)

〇 穴から冷却水が漏れるなら
メカニカルシール(部品番号49063-1055)を交換。パーツリストを見るとオイルシール(部品番号92049-1336)なるものがメカニカルシールの後ろに。以前はなかったはずですがこれも。

〇 穴からオイルが漏れるなら
シャフト(部品番号13107-1271)ウォーターポンプボディ(部品番号16160-1161)の摩耗が原因なので交換。(シャフトを換えるならギアの抜け止めになっている11mmトメワ、右側エンジンカバー、オイルパン等も外すのでそれらのガスケットも。)

△ ついでに交換
冷却経路パイプのOリングも折角なので劣化する前に換えたほうがいいかも。内径16mmと18mm。汎用品でOK。ウォーターポンプボディ裏のオイルシール(部品番号92055-1437)も。



ここから作業に入ります。



1. 冷却水を抜く

冷却水の抜き方、入れ方はこちら → 冷却水の交換
オイルは多少たれるかもしれないけど抜かなくて大丈夫!

2. ウォーターポンプ カバーを外す

ウォーターポンプ ボルト

部分のボルト、8mmレンチで。
パイプは矢印方向に引っ張れば抜けますが、ボルトで固定されているのでそれを外してから。8mmで。

ウォーターポンプ カバー外れる

あとはマイナスドライバーなどでこじってカバーを外す。カバーは簡単に外れます。 中に残った冷却水が少し垂れる注意!


3. メカニカルシール、 ウォーターポンプ ボディを外す

インペラ外れる

インペラ(スクリュー)を外す。10mmのT型レンチで。逆ネジじゃないから普通に反時計回りで。

メカニカルシールはインペラの後ろにあります。摘んで取ります。
このシールだけ交換するつもりなら分解作業はここまででOK!


ウォーターポンプボディ外れる

ウォーターポンプボディはインペラを外した後、バールなどを掛けて手前に押し出す。
ボディの下2箇所、ボルトの部分にノックピンがあるので左右均等に。 ある程度浮いてきたら抜き取ります。

ボディ奥、オイルポンプのアウターローターを落とさないよう注意。 あとオイルが多少たれるかも注意。

4. シャフト交換

磨り減ったシャフト

上は17万km以上使用したシャフト。 明らかに磨り減ってました。

私はエンジンを降ろしたついでに作業。スペースがあったのであまり苦労はしませんでした。
下はジャンクエンジンを使って試した、最小限のバラしでやる方法。うろ覚えです


パーツリスト

概要。ウォーターポンプボディが外れている状態で、”止め輪”を外しシャフトを引っ張ればピン、ギア、ワッシャーも外れて抜き取れる。 しかし、狭いし、シャフトは素直に抜き入れ出来ないしで苦労する

シャフトはクラッチハウジングの奥。

右エンジンカバーを外すとギア、ピン、止め輪が見える。 狭いがクラッチハウジングを外さなくてもスナップリングプライヤー止め輪を外せる

オイルパンから見たギア、ワッシャー、シャフト

オイルパンを外して 下から見上げた状態。 シャフトを抜き取ればピン、ギア、ワッシャーは下から回収できる。

しかし、シャフトがギアに引っ掛かって抜けない。なぜならこのシャフトはスプリットしている先端が少しだけ広がっている作りだから。 そこをなんとかバールでこじって突破する。ギアを暖め、シャフトを冷やすとより良いだろう。

取り付け時は新しいシャフトを通し、ギア、ワッシャーは下から、ピン、止め輪を右エンジンカバー側から取り付け。 …で行けるかな?

5. メカニカルシール、ウォーターポンプボディ取り付け

5-1. ボディ、カバーのガスケット剥がし

紙製のガスケットの残りカスはスクレイパーで剥がす。 ボディにある邪魔なノックピンはペンチでがっちり掴んで引っ張れば取れます
ガスケットがある程度はがれたらオイルストーンで綺麗に仕上げ。

余談です。 オイルポンプの仕組みでも書きましたがボディ裏、オイルポンプのローター、その周辺に傷があると油圧が低下します。 傷があっても即問題とはならないけど心配なら交換。

5-2. メカニカルシール装着

ボディとメカニカルシール

メカニカルシールは凹凸を合わせてはめるだけ。 (最近のメカニカルシールは写真の旧式の物とは違い改良されたものになってます。 今回はジャンクエンジンから部品取り。)

5-3. ウォーターポンプボディ取り付け

ウォーターポンプ組み付け

あとは車体に戻して組みつけていくだけ。 インペラは回転方向を考えるとそんなにがちがちに締め付けなくても大丈夫。

カバー取り付けの際は液体ガスケット併用がおすすめ。
あとになって「漏れる…またバラさなきゃ…」ってことになるとかなり面倒。(でした…)


冷却経路のパイプ取り付けの際はのOリングめくれ注意。 真っ直ぐ押し込んで。

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関連:
冷却水の交換
右側エンジンカバーの外し方
オイルパンの外し方



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