『バルブクリアランス調整 (2/3)』 KAWASAKIバリオスのメンテナンス

バルブクリアランス調整 (2/3)

このサイトではクリアランスをシムで調整するタイプについて説明します。




バルブクリアランス調整の概要 → バルブクリアランスって何とか

バルブクリアランス調整(1/3) → クリアランス狂いの症状、1.下準備~4.クリアランス計測まで

バルブクリアランス調整(2/3) → 5.シム取り外し~7.シム削って厚み調整まで

バルブクリアランス調整(3/3) → 8.組み直し、計測可否詳細

※ 整備はサービスマニュアルに頼らずやっているので参考程度にご覧ください。


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5. シムを外す

5-0. マニュアル持って無いならシャフトの位置メモ

カムスプロケットとチェーンの関係

カムシャフトはバルブタイミングを決める部品なので組む位置には決まりがあります。

カムスプロケットとチェーンの関係

(写真左)、丸部分にあるマークの下線を合わせて位置決めする簡易的な方法もありますが、これだとカムチェーンの伸び具合によっては間違う危険が…。

サービスマニュアルにあるようなチェーンのリンク数で位置決めできれば確実です。
マニュアルが無いなら、バラす前に自己流でメモしましょう。

(写真右)のように〇,×番上死点の時、目印から目印まで何リンクとメモれば正しく元通りに組めます。


5-1. カムチェーンテンショナーを外す

カムチェーンの張りを解放するためテンショナーを外します。 8mmでボルトを緩めて。
関連: カムチェーンテンショナーの交換


5-2. カムシャフトキャップを外す

カムカバーのボルトを外す

カムシャフトを押さえつけているカムシャフトキャップ外します。ボルトは全部で16本、 8mmのレンチで。
バルブスプリングの反発力があるので応力が一箇所に集中しないよう、ボルトは、外側の物から内側の物へと順番に。 全体を少しずつ緩めてカバーを徐々に浮かせて外すのが好ましい。


5-3. シムを外す

シャフトずらす

カムシャフトキャップを外せばカムシャフトはフリー。 これを外します。
銀色の丸い奴がタペット。シムはこの下。

(!外したカムシャフトはどっちが吸気側か排気側か分かるようにしておいて。)
(!カムチェーンは下に落ちないように紐でも使って浮かせておいて。ま、落ちたら拾うだけさ。)

シムを取り外す

タペットを磁石で持ち上げて外すと写真のように、シムが裏に引っ付いて一緒に取れることがほとんど。同様の方法で全てのタペット、シムを外します。

取り外したタペット、シムは何番のどこに入っていたか分かるようにしっかり管理!


6. シムの厚みを計測

シムの厚みを計測

マイクロメーターでシムの厚みを計測。 シムは長い時間手で持っていると体温で膨張しちゃう。 ピンセットを使うのがベスト。
計測すると、「ん~、1.746...かな?」 みたいに、1/1000mm 部分まで気にしがちですがそこは四捨五入で。 シックネスゲージも1/100mm単位でしか計測できませんから、気にした所で1/1000mm単位の誤差は避けようがないっす。

計測したシムの厚み
計測したシムの厚みはこのようにしっかりメモ。
計測値、メモに間違いが無いか今一度チェック! 普通の定規で測るのとは方法が違うし、16箇所も計測すると1個ぐらいはミスがあったりするから。

7. シムを削って厚み調整

7-1. 目標とするシムの厚みを決定

まずは目標とするバルブクリアランス決める。吸気側、排気側、それぞれ規定内の任意の値で揃えます

● Baliusのバルブクリアランス規定値
排気(EX):   0.20 ~ 0.29mm
吸気(IN):   0.15 ~ 0.24mm

・今回の目標クリアランス
EX:  0.25mm  (規定の真ん中あたり。)
IN:  0.18mm  (唯一規定内だった1番右のに揃えることに。)

あとは引き算でそれを実現するにはシムをどのぐらい削ればよいかを導く。


7-2. 目標とするシムの厚みを算出

目標のクリアランス - 現状クリアランス = シムの削り量

今までのメモから算出するとこうなる。

・目標とするシムの厚み (シムの削り量)  単位mm

 1234
EX 1.66
(0.08)
1.68
(0.07)
1.72
(0.07)
1.72
(0.07)
1.81
(0.08)
1.79
(0.07)
1.80
(0.07)
1.78
(0.07)
IN 1.68
(0.11)
1.71
(0)
1.68
(0.08)
1.63
(0.08)
1.65
(0.08)
1.75
(0.08)
1.75
(0.08)
1.66
(0.08)

7-4. シムを削る工具を選択

”素早く”、”水平に” 削るのが理想。しかし2つは相反する。

● オイルストーン
 ほとんど削れない。0.01mm削るのも苦労する。 比較的、水平に削れる。

● ダイヤモンドやすり  (今回使用)
 0.03mmぐらいまでならこれで削ってもいいかな。 わずかに偏って削れたり。

● ディスクグラインダー  (今回使用)
 結構削れる。 0.05mm以上の削りもこれなら楽。 偏って削れやすい。 コツが分かってないとおもいっきり失敗する。(詳しくは下で)

シムを削るのに使用した工具

今回は削る量が多いし、早く終わらせたいのでディスクグラインダーにて挑戦。 仕上げ用にやすりも。


7-5. シムを削る (ディスクグラインダー使用)

■ 失敗

シム斜めに削れて失敗

いきなり失敗の画。 初めはシム側を固定し、グラインダーを手で持って削ってみました。
調子よく削れるぜー! と思っていたんだけどよく見たらすんごく斜めに…。 大失敗。


■ コツと注意点

シムとグラインダー

上の写真の通り、グラインダーを固定して、シムを押し付ける方が良いね。 これなら削れ具合を確認、修正できます。

□ ディスク
なかなか良かったのはサンドペーパータイプの。 ダイソーにある#400や#240辺りが削りすぎないので調整しやすい。

□ 注意点
1. 削っている最中、プライヤーからシムが外れて飛んで行く事がしばしば。 失くさないように。
2. グラインダーで削るとシムは非常に熱くなる。 小さいから冷めるのも早いけど。

□ こんな感じで削った

シム削り グラインダー

1. まずはシムの角をなるべく均等に削っていく。ちょくちょく削れ具合を確認、修正しながら。
2. 削れていない中央部分を攻める。なるべく水平になるよう確認、修正しながら。
3. 一旦グラインダーを止め、 今度はダイヤモンドやすりを水平にあててシムを削る、すると、削れている場所、いない場所 が見えてくるので、削りの甘い部分をまたグラインダーで修正。
4. 上の1~3を適宜に繰り返し、そろそろ良いかと思ったら熱膨張してるシムを冷まし、厚みを計測、やすりを使って修正、仕上げ。

□ 削り終えて
けっこう適当にやってしまったけど全てのシムの調整が完了! いくつかはジャンクエンジンから厚みの合うやつを部品取り。 グラインダーを使うと早いですが美しくは出来ません。 少し斜めに削れたり、角を面取りしたようになったり…。 また、削りすぎてしまうこともしばしば。 もっと効率的な工具、やり方がきっとあるはず




次にシムを戻して組み直し → バルブクリアランス調整(3/3) につづく

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