『シリンダー、ピストンの着脱』 KAWASAKIバリオスのメンテナンス

シリンダー、ピストンの着脱

腰上OH(オーバーホール)の際にやる作業です。 シリンダーヘッドを外してある事が前提です。

関連:
 シリンダーヘッドの外し方
 腰上のオーバーホール (1/2)
 腰上のオーバーホール (2/2)

※ 整備はサービスマニュアルに頼らずやっているので参考程度にご覧ください。


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1. シリンダーを外す

シリンダーは引っ張るだけで外せます。 スムーズに抜けるようにKURE-556で潤滑してから行いました。 ピストンの頭を親指で押し下げながらシリンダーを持ち上げると抜き取りがスムーズ。
だから 1,4番上死点だと作業しやすい

 ノックピンは緑の丸のところ。

ある程度抜けたところでクランクケースの角でピストンが傷付いてしまわないよう布を噛ませます。 そのままシリンダーを抜き取れば完了。

2. ピストンを外す

2-1. 止め輪を外す (すでに外れたもので説明)

 シリンダーが外れたら次はピストン。 ピストンはピストンピンを抜けばコンロッドから分離できます。 そのためにはまずC型の止め輪を外す。 写真のように止め輪の口を小さい(-)ドライバー等で外せる位置までずらします。

ピストンピンの外れ止め、C型止め輪外し2

外せる位置まで持ってきたら、写真のように(-)ドライバーを入れてテコを利かせて手前に持ってくると外れる。 実際は止め輪が飛んでいかないよう親指で覆いながら実施

2-2. コンロッドから分離

外れたピストン

止め輪を外したらピストンピンを"止め輪を外さなかった側"から押し出します。 簡単にすぽっと外れたりはしません。 きつきつです。

この時は(-)ドライバーを使って押し出したんですが割り箸のような軟らかいものでやった方が安全ですね。 抜けにくい場合はドライヤーなどでピストンを膨張させてから挑戦すると抜けやすいはず。

1,4番が外し終わったらパルシングローターのボルトを180°回して(クランクを180°回して)2,3番ピストンも着手。 外した部品は何番ピストンの部品だったか分かるようにしっかり管理。

17万キロ以上走ったピストン

ちなみに17万mk以上走ったピストンはこんな感じ。 この縦傷はまあ、とくに問題無いでしょう。 それよりオイルリングがまるで汚い中華料理店の換気扇! 汚れで目詰まり! まさか自分のバイクがこんな状態になっていたとは…。


外し方はここまで。 清掃は 腰上のオーバーホール (1/2)にて。 次は装着について。


3. ピストンを装着する

ピストンピンの外れ止め、C型止め輪外し1

基本は外したのと逆の手順。 ピストンピンは潤滑して入れる。 止め輪は新品に換えたほうが良いらしい。けど私はかまわず再使用。 止め輪をはめるときにミスって落としたり、飛ばしたりすると厄介なので予め注意!

止め輪のはめ方は写真左のようにひとまず端を溝に入れてから、浮いてしまわないよう親指で押さえつつ(-)ドライバーを起こし ていくと止め輪が縮み、そのまま倒していくとスルッとドライバーを滑って溝に入ります。 潤滑しておくとスムーズ。

止め輪が入ったら走行中外れてしまわないよう、写真右のように口の部分は下ではなく、横などにずらすことを忘れず。

4. シリンダーを装着する

4-0. ピストン挿入の仕組み

ピストンリング装着の仕組み

シリンダーより径が大きいピストンリングはそのままでは入りません。 そこで "ピストンリングコンプレッサー"。 Cの形状をしたピストンリング押し縮めてから挿入します。

シリンダーの下の部分は内径部分がテーパー状に切ってあるので、ピストンを挿入していくと狭くなってピストンリングコンプレッサーは邪魔になり、その場に脱ぎ落とされてピストンだけがシリンダーに入っていく形になります。

(上のイラストでは赤いのがピストンリングコンプレッサー。)

4-1. シリンダーのガスケット、ふつうは交換

シリンダーを綺麗に

シリンダーとクランクケースの間のシリンダーベースガスケット。 普通は交換でしょうが再使用。 ここはオイルをシールしてるだけなのでヘッドガスケットほどシビアじゃないでしょう。 シリンダー、ベースガスケットに残った液体ガスケットのカスはスクレイパーで綺麗に。

ベースガスケットにシリコンガスケットをまんべんなく塗り広げたらクランクケース側にセット。

4-2. ピストンリングコンプレッサー装着

ピストンリングコンプレッサー装着

ピストンをシリンダーに装着していきます。 自作ピストンリングコンプレッサーを装着! ピストン周囲とシリンダーにオイルを塗って潤滑しておく。

(写真はジャンクエンジンを使って練習した時の。 本番では車体にクランクケースが付いた状態で行います。)

4-3. ピストンをシリンダーに挿入

シリンダーに入った1,4番

1,4番のピストンを上死点にしてピストンをシリンダー入り口にセット、ぐいぐいっと押し込んでいくと結構簡単に入った。 ピストンの首が傾いていたので入り辛い場面があったがピストンの下からスカートの部分を手で押し込むと問題なく挿入できる。

ピストンリングが入ったところ

1,4番を上死点で入れた後、クランクを回して2,3番ピストンを上に。それをシリンダー入り口にぐら付きの無いようセット。 シリンダーを上から押さえ付けつつ、さらにクランクを回して2,3番を押し上げると自作コンプレッサーがガッと外れる音が。

下から覗き込むとピストンはシリンダーにちゃんと入ってました。 ピストンリングコンプレッサーとタイラップを下の隙間から外して、シリンダーを押し込んだら成功!

シリンダーに装着されたピストン

何度か練習する中で、挿入前にコンプレッサーが外れてしまったり、一度入れたピストンが抜けてしまったりするハプニングがありましたが、 その場でリングを手で縮めて入れ直せば修正が効きます。 手で出来るってことは単気筒や二気筒はピストンリングコンプレッサー必要なんじゃないかな?

練習から1年ぐらい経って本番。 感覚が鈍っていたのでちょっと苦戦しました。 素手で作業したから指切っちゃたり…。 ま、何とか完了!

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関連:
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 腰上のオーバーホール (1/2)
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